もう一度やり直せるなら

私の通っていた学校は、大体夏休み前頃から掲示板に求人情報を貼って、その求人に興味があれば担当の先生に相談に行くというスタイルでした。女子大だったからかみんなそんなに就職就職といった雰囲気でもなくのんびりした感じを受けていたので、自分自身も全く焦りを感じていませんでした。求人票を見ても、一般企業の事務というのが大半で、この仕事やってみたいなと思う感じもあまりなく日々が過ぎていきました。

しかし、夏休みが終わってみるとちらほら内定が決まったという友人が出てきて、みんな就職活動を表に出していないだけでしっかりと考えて行動をしていたようです。当たり前と言えば当たり前の事なのですが。 そうなってだんだん就職のことが現実味を帯びてきて、一体自分は何をやりたいんだろうと考えるようになりました。自分の通っていた科が英語科だったので、このまま英語を使う仕事がしたい、という漠然とした考えしか思い浮かばず、英語を使って何をやりたいという具体的な考えはまったく思いつきませんでした。

そうしているうちにどんどんと周りの進路が決まっていきすごく焦りました。 夏休み前には普通にたくさんあった一般企業の事務の仕事の求人もほとんど出なくなっていました。 そんな時、たまたま求人を出していた企業が自宅からも近いし、そこに勤務している社員さんの一人が留学後その会社に入社されているという情報を知り、その理由だけで何をしている会社か業務内容も良くわからない初めての面接に臨みました。そんな状況では当然採用されるわけもなく、その後もひたすらどうしたらいいんだろうとただ悩むだけの日々でした。

年も明けこの先どうしようかと考えている時に、たまたま新聞の求人欄の広告に翻訳の会社の求人が出ていて、こんな会社があったんだと思い面接を受けました。そして、何とか内定を頂いて、卒業と同時に就職することになりました。 しかし、英語を使った仕事がしたいという事だけでの特に強い目的がなくの入社だったので、いざ仕事を始めてみると自分が思っていた内容と違って、この会社は翻訳をするのではなく、翻訳はプロの翻訳家方々に外注をされていて、その方々から届いた原稿をひたすらPCで打ち直すといういわゆる入力業務が主な仕事でした。

その時は英語を使った仕事をしたいという考えにこだわりすぎていて、英語は仕事の目的ではなく、仕事をする上での手段の一つにすぎないという事を全く分かっていませんでした。

もう少し発想を広げて英語を使って何をしたいのか、という事をしっかりと考えて就職を考えるべきでした。 もっと将来を良く考えていたら一生どこに住もうが、自分の私生活に変化があっても問題なく行える仕事、そう考えるとやはり手に職を付けることが一番大事だったと思います。

例えば、美容師さんという仕事を選んでいたら、世界中のどこに行こうとできるし、修行を積んで自分のお店を持つことさえも可能です。外国人のお客様が来ても意志の疎通がしっかりとできれば要望をかなえることもできます。 保育士さんや栄養士さん、薬剤師さんに看護師さんや介護士さんそれ以外にも様々な手に職がないとできない仕事はたくさんあります。その時をただ焦って乗り切るのではなく、どうして、もっと大きな広い視野で就職を考えなかったのか、一生できる仕事のための勉強をしてこなかったのかと悔やまれます。手に職をつけたうえで英語にこだわるのなら手段として考えればよかったと思います。

もしも、もう一度学生時代に戻って就職活動をやり直せるとしたら、よく考えてしっかりと修行をし、資格を取り、手に職をつけて一生できる仕事を選びたいと思います。