専攻していた学部にとらわれすぎて

私は、大学では工学部の金属等について学ぶ材料工学科というちょっとマニアックな学科に在籍していました。金属・有機・無機材料といった材料について幅広く学び、機械加工・電気、電子工学なども学ぶというような内容でした。今でいうところの理系女子、でしょうか。当時は女性が工学部に在籍しているのはとても少なく、珍しがられたのを覚えています。

就職先となると、材料開発や、電機・電子機器に関する仕事が多く、男性社会で上手くやっていけるかという不安がありました。とはいえ当時は就職氷河期手前ぐらいで、決して有利な状況ではありませんでした。ですので、なるべく専門を活かした就職先を選べば、スムーズに就職できるのではないか、と考えていました。

というのも、通っていた大学がその地元では結構有名だったようで、卒業生が多く働いているような会社には、かなりの確率で就職できたのです。できれば早く就職先を決めて、楽になりたい。その気持ちがとても強かったです。

初めは、大学に来ていた求人を見ながら、就職先を探していたのですが、急遽家庭の事情で地元に帰って就職しなければならなくなってしまいました。大学は関西エリアだったのですが、地元は中部エリアで、就職活動には非常に不利な状況でした。当然大学には、地元の求人は来ていません。

とにかくなんとかしなければ、とインターネットなどを活用しながら会社探しを始めました。結局、地元でもわりと名の知れた会社ばかりが目に止まり、何社かピックアップ。募集要項を見て、「工学部・開発希望」と書いてあればチェックしてました。開発部は給料が良かったというのもありますし、なんとなく花形の職種というか・・・イメージで選んでいたかもしれません。今考えると安易な理由で恥ずかしいです。就職活動としては、帰省しまとめて会社説明会に足を運び、面接を受ける、という流れです。地元まで電車を使って片道3時間以上かかったので、お金もかかり大変でした。上述したように、かなり安易な理由で職種を選んでいたので自分の中で何がやりたいのか明確にできず、エントリーシートで落とされてしまうことも多々ありました。

とはいえ、いくつもの会社を比較する時間もなく、適当に、と言ってはなんですが最後はとにかくどこでもいいから就職できればいいや!という気持ちで挑んでいました。

結果的には、第3候補ぐらいの会社への就職が決まりました。かなり焦って探していたので、会社のことも調べる余裕がなく、面接ではとんちんかんなことを言ってしまったような気がしますが(笑)、採用が決まってホッとしました。家族も、地元への就職が決まったと、とても喜んでくれました。

就職活動はそのようにして行いました。実際就職してみた感想ですが、やはりもっと入念な下調べをするべきだったと反省しました。

開発希望は叶えられ、開発部への配属が決まったものの周りの人の志の高さ、レベルの高さに本当にビックリしました。最初は補佐的な仕事から入りましたが、半年もするとプロジェクトに参加するようになっていきましたが、大学での勉強はほとんど役に立たず、毎日遅くまで残業の日々。女だからと甘やかされることもなく、厳しく指導されました。ついていくのに必死で、叱られて涙する日々は本当に悔しくて、辛かったです。どうしてこんな仕事を選んでしまったんだろう、とストレスで胃を悪くしたりしました。

結局仕事についていけなくなり、部署異動になってしまいました。先頭を突っ走る開発部から、量産近くの製品の不具合について対応する技術部への異動でした。

上司も変わり、仕事内容も変わり、かなり心に余裕ができました。開発部を離れることになって悔しいというよりも、ホッとしました。

自分には向いていない、というより高望みし過ぎた結果だと思います。

もっと仕事内容や、自分に向いているかそうでないか等、基本的なことをしっかり調べていればよかったと本当に後悔しました。結局最初に就職した職場は、6年働いて退職しました。

向いてない職場にずっといるよりも自分にもっと向いている仕事があるんじゃないか、と考えるようになり、兼ねてから興味のあった営業職へ転職しました。

元の会社でも営業部への異動願いは出していたのですが、技術部から営業部への異動は前例がなく、せっかくここまで育てたのに何を言うんだ、という感じで取り合ってもらえませんでした。

次の会社では失敗したくない、という思いから次の就職先は入念に下調べを行って探しました。インターネットである程度の情報が出てきますが、他にも実際働いている人がいないか知人を訪ねたりして、生の声を聞くようにしました。そうすることで自分の中で、「その会社で働く自分の姿」がイメージできました。

イメージしてみて、やっぱり止めようと思った会社もあれば、絶対ここで働いてみたい!と思えた会社もあります。この気持ちは学生のときにもっと感じて就職活動したかったな、と思います。

やはり大学卒業してすぐに働きキャリアを積むのと、中途採用で入っていくのでは全然違うと思います。失敗も経験も、やはり若い時にたくさんしておいた方が後々活かせると思うからです。

今の会社は、そのような思いで選んだ結果、日々とても充実しています。もちろん働いてみて、大変だなと感じる部分は多々ありますが、ここで絶対働きたい!という当初の思いはプラスに働いていると思います。

大切なのは、その会社で働く自分をどれだけリアルにイメージできるか、ではないかと思います。